【音楽】今年の夏おすすめのシティ·ポップ10選。ドライブしながら口ずさみたい!

city pop visual 音楽

70~80年代に日本で流行った都会的で洗練された音楽ジャンル、「シティ·ポップ 」をご存知ですか?

2000年代より海外のDJがリミックスをYoutubeにアップしたのを発端に拡散され、ストリーミングで音楽を楽しむ若者たちを中心に、今や世界規模で注目を集めています。

シティ·ポップはソフトな耳障りが心地よく、ドライブや普段の何気ない日常のBGMにも相性抜群。

今年の夏、夜の摩天楼や海のリゾートを背景に聴きたいシティ・ポップを厳選してご紹介します。

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©山下達郎 COME ALONG 2

シティ·ポップ (city pop) の定義は実は割と曖昧です。

総じて、1970年代後半から1980年代にかけて日本の音楽シーンにおいて、都会的で洗練された歌詞やサウンドを持つ音楽ジャンルのことを指します。

ニューミュージックの中で、特にお洒落で洋楽っぽい雰囲気の音楽、といった方がわかりやすいかもしれません。

個人的には都会の夜の街をドライブするときのBGMにぴったりハマる曲、がシティ·ポップです。
Suchmosの夜の高速道路を感じるグルーブ感はまさに現代のシティ·ポップですね。

大きく分けると、都会の冷たい鉄の高層ビルや夜の摩天楼が似合うドライ系と、ビーチリゾートでサーフィンして海風と波を感じる湘南系、の2つの系統があるように思えます。

歌詞が切ない「真夜中のドア~stay with me」松原みき

松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」は、Spotifyのグローバルバイラルチャートでは2位にランクインするなど、アメリカやアジアで注目の楽曲。

インドネシアの人気女性YoutuberのRainychさんがカバー曲を発表したことをきっかけに、認知度が拡散しヒットにつながったようです。

松原みきさんは、幼少の頃からピアノやジャズに親しんだ本格アーティスト。1970年のリリース当時は19ー20歳なので、今思えば年齢にしては、ずいぶん大人っぽかったのですね。

TVなどの露出は少なかったですが、美人アーティストとして知られてました。

2004年10月7日に子宮頸癌のため。44歳の若さで惜しくも他界されています。

40年前の作品がこのような形で芽吹いて、世界的ブレイクを果たすなんて、松原さん本人も当時は想像していなかったことでしょう。

シズルな「夏のクラクション」稲垣潤一

独特なハスキーボイスを持つ、稲垣潤一さんの夏を思わせるバラード。稲垣さんの声質は特徴的で、新曲を出しても、「これ、稲垣じゃね?」ってわかるくらいのレベルと思います。

サビ部分はCMソングとしても起用されていました。他アーティストによりカバーもされています。

「ドラマチックレイン」や「クリスマスキャロルの頃には」のようなマイナー調の曲が多いイメージですが、こちらはグッと夏のキラキラと眩い太陽にセピア色のフィルターがかかったような、懐かしくて夏のシズル感が感じられる作品。ビーチで聴きたい一曲です。

マティーニ片手に聴きたい「FAREWELL MIDNIGHT BLUE」山本達彦

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雨ふる街で「思いをたどるロンリードライブ」冒頭の歌詞。 シティポップには雨が似合います。 夜のバーや、都会の摩天楼をドライブするシチュエーションにぴったりな大人ポップです。 深みのある柔らかな声と甘いマスク、落ち着いた物腰の山本達彦さんに女性ファンは魅了されました。デビュー当時からの映像を振り返ると、山本さんのメランコリックな魅力の熟成の過程を伺うことができます。

陽気に夜の街へ繰り出したくなる「DOWN TOWN」EPO(エポ)

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『DOWN TOWN』は1980年のEPOさんのデビュー曲です、

山下達郎さんや大貫妙子さんがいたシティポップの先駈け的存在のインディーズバンド「シュガー·ベイブ」のカバー曲です。オリジナル自体が素晴らしいのですが、伸びやかな女性のEPOさんが歌うと元気さが加わり新鮮です。

お笑い界のレジェンド的なバラエティ番組『オレたちひょうきん族』のエンディングテーマに起用されてたので、知っている方も多いのではないでしょうか。

土曜の夜は賑やかなダウンタウンへ繰り出そう!という楽しい歌詞なのですが、「ひょうきん族」の放送時間帯が土曜の夜8時からだったので、まさにピッタリの選曲でした。

週末の夜という解放感、遊びに繰り出すライブ感、何か楽しいことが起こりそうなウキウキ感が、ぎゅっと詰まってメロディーになった、元気ポップスです。

傷心の友に捧げたい「夢の続き」竹内まりや

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「夢の続き」は、竹内まりやさんが1987年7月に発表した15枚目のシングルです。

1987年の東宝映画『ハワイアン·ドリーム』の主題歌にもなりました。作詞作曲は竹内さんで、編曲は旦那さんの山下達郎さんです。

竹内さんはしっとりとしたバラードも多いのですが、こちらはダンサブルなリズムです。シティポップのリバイバルの火付け曲ともなった1984年のシングル「PLASTIC LOVE」のグルーブ感を持った曲調です。

歌詞が失恋のテーマでありながら、すごく前向きにさせてくれる失恋デトックスソングです。

「目覚める頃にはとっくに笑顔が戻ってる」

聴いてると、恋なんて夢の数ほどあるから、今は眠りについて明日の恋に目を向けようって気にさせてくれます。傷心の友達がいたら、ぜひこの歌で励ましてやってください。

彼にかかれば魚だってダンシング「踊ろよ、フィッシュ」山下達郎

竹内さんとくれば、やはり次は山下達郎さん。お二人は夫婦です。(知らない方へ念のため)

キング・オブ・シティ・ポップの名がふさわしい山下さんの「踊ろよ、フィッシュ」は1987年の楽曲です。

山下達郎さんの曲はどれも、キャッチーで季節感があるんですよね。だからクリスマスなどのイベント時期になるとベタなんだけど無性に聞きたくなるし、耳だこになるくらい、ヘビーローテーションされちゃうんです。

夏のビーチで泳ぐならこれです!聴いているだけで、空の高い夏の空や、青い海、灼熱の太陽が感じられます。
ちなみに「つりビット」によるカバー曲は、かなりキュートでキュンキュンしたバージョンになってます。

清涼感あふれるサマーソング「ふたりの夏物語」杉山清貴&オメガトライブ

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もう一つのサマーソングといえば、これ。杉山清貴&オメガトライブは80年代を代表する夏バンドで、他にも「SUMMER SUSPICION」「君のハートはマリンブルー」などと並ぶ夏をテーマにした楽曲が多く、海岸線のビーチのイメージがカバーとなってました。

メインボーカルの杉山清貴さんはシュッとしたスーツにサングラスをかけて歌ってました。

同じ夏テーマの歌でも、山下達郎さんの「踊ろよ、フィッシュ」はネトっとまとわりつくような灼熱の猛暑感が漂い、リゾートで言うと熱帯の南カリブなんですが、「ふたりの夏物語」はさらりとした都会のドライ感があり、パームツリー並木があるカリフォルニアのビーチを連想させます。

都会的な男女の大人のロマンスを歌った歌詞が多く、海岸線を走る車の情景が浮かびます。まるで、わたせせいぞう先生のクリスプで色彩感覚のスタイリッシュな世界観です。

「オメガトライブ」ってバンド名と思われがちですが、藤田浩一プロデューサーによるプロジェクトの形態をとっていて、レコーディングとライブのメンバーが必ずしも一致してはいなかったそうです。杉山さんは「オメガトライブ」プロジェクト内ではわずか3年の活動期間で、脱退後は日系ブラジル人のカルロス・トシキさんにメインボーカルが代わり、グループ名も「カルロス・トシキ&オメガトライブ」となっています。

泰葉 「フライディ·チャイナタウン」で花金はさっさとオフィスを退社したい

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「フライディ·チャイナタウン」は、1981年に発売された泰葉さんのデビュー曲です。

タイトルにある「フライディ」はずっと金曜日のチャイナタウンという意味で「FRIDAY」と綴ると思ってたのですが、実は”飛ぶ”日 「FLY-DAY」だったんですね。

実際、金曜日のことをオフィスから飛び去る(Fly away)曜日ということでFlydayと表現する地域もあるようです。

”Yay, today is flyday!” 
やったぜ!花金だぜ今日は!(飲みに行くぞ!)

みたいなノリなんでしょうか。花金がそもそも90年代バブル期に流行った言葉ですよね。時代を先取りした斬新な歌詞です。

泰葉さんの時々こぶしが回る熱量のある歌い方は、やや昭和の歌謡曲ムードがあり、花金に夜のネオンの繁華街へ繰り出す大人たちの情景を思い浮かばせますが、そこはやはり異国風の日本なのです。

80年代は泰葉さんのようなキーボードやピアノの弾き語りで歌唱するというスタイルの女性シンガーソングライターのアーティストが多かったように思えます。

「パープルタウン ~You Oughta Know By Now~」八神 純子の紫にけむるヌゥーヨーク

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タウンの流れで言うとこれですよね。もう一人のピアノを弾きながら歌う姿が印象的な女性シンガーソングライター、八神純子さん。

1980年の9枚目のシングルで、日本航空のCMソングにも起用されました。八神さんの透き通った伸びのある高音域の歌声を聞くとゾクゾクと高揚感が湧きます。

パープルタウンとはどこぞや?
「New York 紫にけむる夜明け」とあるようにニューヨークシティのことです。

ニューヨークのニューを”ヌゥー”と透明感のある歌声で綺麗に発音されていたのが印象的です。

結婚されアメリカに移住されてからはあまり日本での活動はあまりありませんでしたが、復帰後の現在は艶感が増し、変わらず伸びのある高音域をキープされてるのは流石です。

「素直になりたい」ハイ・ファイ・セットでお洒落な街を軽快に歩きたい

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ニューミュージックのコーラスグループといえばハイ・ファイ・セット (Hi-Fi Set) 。

「素直になりたい」は1984年の20枚目のシングルです。シチズン「リビエール」のCMソングとして使われていました。

メインボーカルの山本潤子さんと、旦那様の山本俊彦さん、大川茂さんの男女コーラスワークが素晴らしく、軽快で陽気でしかもスタイリッシュ。

「恋はいつもRhythm & Blues、揺れる心 Upside down」 
杉真理さんの歌詞は、本当に心がはずむ都会的な曲調。


当時の動画サイトを見るまで知りませんでしたが、キュートな振り付けがあったのですね。

この曲を聴きながら、お洒落な街角を軽いフットワークでウオーキングしたくなります。

シティ・ポップの隠れた名曲「真夜中のジョーク」間宮貴子

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みなさん、間宮貴子さんってご存知でしょうか。

アルバムは1982年にリリースした1枚のみで、いつの間にか消えてしまった女性シンガーですが、埋もれるにはもったいない素敵な楽曲を残されてます。

間宮さんのアルバム『LOVE TRIP』には来生えつこ・たかお姉弟が楽曲提供を務め、他、山下達郎さんなど、錚々たる音楽家たちが参加された渾身のアルバムです。

アルバム中の「真夜中のジョーク」は80年代シティポップの隠れた名曲と言えるでしょう。

メロウな曲調と耳に心地よい透き通った間宮さんの声は今聞いても新鮮です。

まとめ

シティ・ポップブレイクの火付け役となった竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」は昔から大好きでした。

それが数年前、アメリカ人の友人のPCからその曲が流れ、アメリカで今人気だと聞かされた時はたまげました。
良いものは時代を超えて支持されるのですね。

音楽の媒体の変化とともに、遠い過去の楽曲が、時代を得て再度注目される現代の音楽業界。
これからも隠れたヒット曲が掘り起こされそうで、80年代好きのワクワクが止まりません!

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