【ドラマ】癒しだけじゃない『珈琲いかがでしょう』の珈琲哲学は人生を豊かにする方法を教えてくれる

clear glass bottle on brown wooden table ドラマ

中村倫也さん演じるイケメン移動珈琲屋の姿がまるで、コナリミサト先生による日本の原作そのままと、原作の漫画ファンの間で評判のドラマ『珈琲いかがでしょう』。

劇中に出てくるコーヒーを淹れるシーンは、まったりとした時間が流れ、みていると体も心もほっこりします。

ゆっくり時間をかけて丁寧に淹れるポアオーバーのコーヒーは湯気と香りがこちらまで届くよう。今回はドラマを通して伝わる人生の哲学、コーヒーの魅力を語っていきます。

移動珈琲トラック「たこ珈琲」のお店のセットはまるでおしゃれな科学の実験室。

Erlenmeyer flask with bokeh lights

劇中の「たこ珈琲」トラックのお店のセットはとてもおしゃれです。

ビンテージ風の渋い濃いめのティールカラーの壁紙に棚にはコーヒー豆の瓶が並ぶ。使われてる珈琲器具は真鍮(しんちゅう)のアームのスタンドにガラスのドリッパー、そしてガラスポットはまるで実験器具のビーカーを思わせ、レトロな科学室のラボにいるみたい。

ふんわりとしたフィルターがかったスクリーンに広がるおしゃれでレトロな「珈琲ラボ」にゆっくり流れる音楽と湯気、芳しいコーヒーの香りがスクリーンを通して漂います。

ポアオーバーコーヒーはまるで禅の時間、それは茶道の心と似てる

woman drinking with cup

普段忙しい時間を送る現代人はちょっと待つことにもイライラ。劇中でもポアオーバーのコーヒーをサーブするまでに時間がかると文句言う通行人のエピソードがあります。

スピードや効率化を重視する毎日にも、少し速度を落としたり休憩したり、立ち止まって周りを見渡す余裕を持つ大切さが必要だと教えてくれる。

中村さん演じる移動珈琲店の店主、青山が一人一人大切に思いを込めて淹れるコーヒーは、毎日の生活が煮詰まった珈琲みたいになって、気持ちがどよんと酸化してる人たちにとっての魔法の一杯。

コーヒーを淹れるってまるで一種の儀式のよう。

コーヒー豆を選別して、手動のミルで挽く。スタンドにドリッパーをセットし、湯切りしたフィルターに挽きたてのコーヒー豆を入れ、ゆっくりとポットのお湯を螺旋状に注ぐ。暖かい湯気とふっくらとコーヒーが膨らんで芳しい香りがたち込める。2回目のお湯を注いで抽出されるのを待つ。

そんな一つ一つの工程を、飲んでくれる相手を思いながら丁寧に行うことで、集中が高まり、脳が穏やかに研ぎ澄まされる。不思議と禅のような境地が。。

ポアオーバーは淹れる側も、また淹れてもらう側も、出来上がった珈琲だけでなく、その過程全体を楽しむもの。互いを敬いながら心を穏やかにする空間を楽しむ、茶道のお茶会に似ています

とはいえ、茶道での客はそれなりに所作の知識が必要でちょっと敷居が高いですが、ポアオーバーをまつ客はただ自分のコーヒーが作られていく様を五感を使って楽しめば良いわけです。

全編的にゆっくりと歩く速度で流れる音楽が心地よい

selective focus photo of person playing electric guitar

『珈琲いかがでしょう』はちょっぴりバイオレンスなシーンなどあったりもしますが、全般通してのストーリーと音楽のスローなテンポが心地よく視聴後感もほっこり。

キャッチーなソングライター、オザケンこと、小沢健二さんのオープニングソング「エル・フエゴ(ザ・炎)」は、ゆっくり始まりながらも、大地をしっかり足踏みするような力強さがあって、オッオッおおお~というキャッチーなサビが、オザケンからエールをもらっているようで、元気印が芽生えます。

劇作中のHAKASE-SUNの音楽もまた、ゆったりとした時間の流れを感じさせてくれて、ドリーミーで耳心地の良いサウンド。劇中では、人生に行き詰まったキャラたちが、ちょっと下を向いてたり、悩みや過去を語ったりするシーンに流れて、なんともほろ苦いのです。

エンディングのNulbarichの「CHAIN」は都会的なアシッドジャズ風のサウンド。何度聴いても飽きることがありません。途中エコーのかかったサウンドが、まるで都会の夜景の煌めきが音として空間的にブワッと拡がるようなグルービーな余韻を残してくれます。

Nulbarich – CHAIN (Official Music Video)

コーヒーを美味しいと思える、それは心が豊かなあかし

clear glass coffee jar

青山のコーヒー作りの師匠であったホームレスのおじさんが素敵なコーヒー人生哲学を語ってます。

珈琲の味も、人間もちょっとした加減で変わってくるものだと。

コーヒーの味はその時の温度、豆の焙煎具合、抽出し具合、時間、など微妙にで変化します。

人間の人生もちょっとした匙加減でその後の結果が変わったり、ちょっと角度を変えて観ただけで、いろんな発見が生まれます。

心のアプローチ次第で物事の見方が変わる。そんな気分の転換を導いてくれるのは、目の前の相手や、自分自身のために思いを込めて淹れた温かく優しい珈琲。

コーヒーを淹れる至極の時を楽しめば、人生も色々な視点で楽しめる。そんな極意を味わえます。

好きな場所でポアオーバーを淹れて自分だけのSlow Bar(スローバー)な空間を楽しむ

assorted books on brown wooden shelf

普段はコンビニコーヒーやカフェでコーヒーを頼む場合が多いかもしれないですが、時間に余裕のある時はおうちでドリップコーヒーも淹れてみてはいかがでしょう。

時間をかけて淹れるコーヒーのカフェはSlow Bar(スローバー)ともいわれます。

バリスタが注文や好みを客と会話をしながら聞いて、客に合うコーヒーを目の前で作る、5分くらい要するコーヒーのことです。

カクテルバーなどで客がバーテンダーにお酒を注文するようなイメージですね。その飲み物をコーヒーに置き換えてみる感じです。

ガリガリとグラウンドされる豆、ぽこぽこと膨らむ珈琲、ふわふわ匂い立つアロマ、そしてしみじみと味わうコクと深み、五感を心地よく刺激します。

エスプレッソマシンでゴゴゴーとマシンの音が響き渡り、短時間でぎゅっと抽出されるコーヒーも良いですが、心を落ち着けてゆっくりドリップしながらコーヒーをいれ楽しむ至極の時間は、自分とゆっくり向き合ったり、または家族や友達、特別な人との会話を楽しむのに最適。

自分だけの至極のサロン空間を作って、ポアオーバーで現代の禅の心を。

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