【小説】長生きしたいなら本を読むべき!?読書をする人は、しない人よりもここがすごい。

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前回、漫画『響~小説家になる方法~』の記事中で、現代人の1日の平均読書時間はわずか30分前後という統計について触れました。

読書については、研究や論文が他にもあり大変興味深いです。やはり活字離れと言われている現代において「ちゃんとした本」を読む時間を設けることは大事だなと感じてしまいます。

ここでいう「ちゃんとした本」という意味は、スマホでスワイプしてささっと読めちゃう短いサマリーやSNSのポストみたいな短い文章を流すものとは違い、一冊の文庫本とかビジネス本とか、長めの記事を読むこと。

人間にとって、特に子供にとって、読書は認知、社会的、共感的な要素の発達においてとても大切です。読書が私たちをどのように豊かにしてくれるのか、ご紹介します。

小説を読むと脳が活性化する。

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Laundromat Image Photo by Scott Evans

体って鍛えないと筋肉が衰えますよね。脳も同じで使わないと老化します。脳を活性化させるには読書はとても有効との研究結果が出ています。

米国アトランタ、エモリー大学の神経学者たちは、小説を読むことで脳の安定時による接続性が持続する可能性がある研究結果をBrain Connectivityジャーナルで発表しました。(※1) 

この研究では、学生たちに「ポンペイの四日間」という小説を19日間連続で読ませた日の読書後と翌朝に安静状態でfMRIで脳をスキャンしました。すると、言語の受容性を司る脳の部分である左側頭皮質の接続性が高まったことを示しました。

読書をすると小説の中の主人公の体験が、自分のものとして物理的な感覚と運動システムに連動することができ、そしてそれは読書が終わった5日間後も持続したとの頃です

小説を読むことで認知の予備力が増え、認知症の発症を遅らせるのに役立つとも言われています。脳の運動パズルやゲームも有効だそうです。

ちなみに「ポンペイの四日間」は、西暦79年にイタリアのナポリにあるヴェスヴィオ山の噴火の歴史的事件を背景にした歴史ドラマ。火山噴火によって古代ローマの都市ポンペイが壊滅するまでの波乱の四日間を、壮大なスケールで描いた巨篇です。

著者のロバート·ハリスはBBC放送などの報道記者経験もあるイギリスのジャーナリスト兼小説家です。

2007年にロマンポランスキー監督で映画化の話もあったそうですが、俳優のストライキのためキャンセルになったそうです。スペクタクルな歴史小説が読みたい方はこちら。

さらに余談ですが、東京ディズニーシーのシンボル的存在であるプロメテウス火山のモデルとなっているのがこのヴェスヴィオ山です。


※1 (出典)「Short- and Long-Term Effects of a Novel on Connectivity in the Brain」, 著者:Gregory S. Berns, Kristina Blaine, Michael J. Prietula, and Brandon E. Pye, Published Online:9 Dec 2013 

読書は記憶力を高める。

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年老いると記憶力がどうしても減退しますが、読書は脳を活性化しますので記憶力の改善にも役立ちます。

最近は、利便性もあって電子書籍が人気ですが、記憶力に関しては紙の本の方がのスクリーンで読む電子書籍よりも詳細な記憶力が残るという研究結果が出ています。

シンシナティ小児病院のリーディング&リテラシーディスカバリーセンターの研究者による子供たちの認知テストでは興味深い結果が出ています。(※2)

TVやタブレットなどの時間を制限して、代わりに子供たちに読書をすることで、実際の脳のスキャンで言語と識字能力の発達を組織化する脳の白質と言われる部分の成長に差があったことが示されています。

1日約2時間スクリーンを使用する子供達は、保護者と一緒に本を読む子供に比べ白質の領域の開発不足が見られました。つまり、本を読む子供に比べ、言語の能力の脳の組織が未発達で劣っている傾向ということになります。

実際に脳のスキャンした状態の脳の比較のイメージを見ると顕著です。


※2 (出典)[Associations between home literacy environment, brain white matter integrity and cognitive abilities in preschool-age children] , Wiley online library, 29 November 2019 

読書は集中力が増す。

本を読むことで、作中の世界に没頭して、集中力がより高めることができます。そして、紙の本の方がデジタル本よりも記憶力が高まると言いましたが、紙の本の方が集中力が高まるそうです。

スクリーンを見るのは入ってくるものを目が受け止めるという受動的な要素が多い行為ですが、読むという行為は文字を追って理解しながら進むという忍耐力と同時に、脳をクリアにさせるプロセスが活発化し、集中力が高く身につくことになります。

読書は語彙力が増える。

Photo by Thought Catalog on Pexels

読書はアニメを観たりやゲームをするのに比べて文字に圧倒的に触れるので、語彙力が格段にアップします。

特に普段の生活では使わないボキャブラリーや漢字など小説を読むことで触れる機会ができます。

語彙力が増すと、コミュニケーションスキルも増すということです。

昨今、ソフトスキルが問われている今、美しい語彙力でコミュニケーションをとれることは社会人として重要かつ強みとなるスキルです。

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