【ファッション】ジャケット、カーディガン、セーター、ブレザー 英語の上着の違い説明できる?

hanging clothes lot 映画

Young thoughtful woman choosing between woolen sweater and shirt
Photo by Liza Summer on Pexels

以前、アメリカ人とのファッション会話でストレッチ素材の生地のシャツ型の上着のことを「ジャケット」と言われ、ちょっとした違和感を覚えました。

またある時、明らかに日本では「カーディガン」と呼ばれてるものが、「セーター」と言われたり。

そして、またまたある時には、その「カーディガン」が「ジャケット」になったりします。

今まで、ジャケットとというと襟がついたカチッとした型のものを思っていました。

が、どうやら日本の感覚でいう上着の言い方は欧米では少し違うようです。

とういうことで今回はジャケット、カーディガン、セーター、ブレザーの用語の違いや、海外では通じないファッション和製造語について述べていきたいと思います。

カーディガンとセーターの違い Cardigan vs Sweater

woman wearing beige sweater on top of hill

カーディガンもセーターもウール、または綿、アクリルなどの混合化学繊維の素材で作られたニットで作られた胴体と腕を覆う上着という点で共通しています。

カーディガンは前が開いていてボタンやジッパーで止めるタイプの型で、セーターの一種であるといえます。

一方、セーターはニット上着の総称なので、前空きのカーディガンや、前あきはないプルオーバータイプのものも含めてセーターといえます。

そして、セーターはアメリカ英語でよく使われ、イギリス英語ではジャージー ( jersey )、あるいはジャンパー ( jumper )となります。

また、ブルゾンも聞いたことがあると思いますが、ブルゾン (blouson)はフランス語で「裾が絞られたブラウス」という語源を持つ腰と袖口がフィットするよう絞ってある短いおしゃれジャンパーのことです。

セーターがカジュアルなのに比べ、カーディガンは素材によってはフォーマル、セミフォーマルな上着ともなります。

セーターは単体で切ることもありますが、大抵シャツやブラウスの上に切ることが多いですね。

大抵上半身を包む形で、長袖ですが、これが半袖になると、ベスト( vest )と呼ばれます。ベストにはウール素材のプルオーバータイプのものもあれば、前あきのボタンダウンのフォーマルなタイプもあります。ドレスシャツの上に着るスーツの一部としてのベストがあります。

最近、コートとカーディガンを組みあわせた「コーディガン」と言う造語を聞きます。コートのように腰が隠れる長さカーディガンのような感覚で軽く羽織れるアウターのことをいいます。

ちなみに英語ではCoatiganというらしいです。英語がCoat+Cardiganという文字の組み合わせになるのに対して、日本語の造語はコートのコーだけとって Coat+Cardiganとなるのですね。この微妙な違い、一体日本では誰が名付けたのか。

カーディガン vs セーター違いのポイント!
  • 両方ニット素材であるが、前開きはカーディガン、プルオーバータイプがセーター
  • カーディガンはシャツやブラウスの上に羽織りセーターは単体できることもある。
  • カーディガンはカジュアルからフォーマルまで、セーターはカジュアル

ジャケットとセーターの違い Jacket vs Sweater

Man riding on motorcycle
Photo by Ryan Holloway on Pexels

ジャケット、セーター(ここではカーディガンもセーターの種類としてます。)どちらも上着、アウターという部分で共通しています。

違いは素材にあり。セーターが主にウールなどのニット素材であるのに対して、ジャケットはニット以外の上着のことを指します。

ジャケットはシャツやブラウスなどの上に羽織るものとして斬られ、素材もウール、コットン、デニムなど多様な素材の生地があります。

そして体にフィットしたタイトな作りであることが多く、素材や作りによってはフォーマルからカジュアルなものまで多様化しています。

個人的にはジャケットというとファッショナブルなイメージですが、セーターというとホリデーシーズン名物の、あの“Ugly” (アグリー)なholiday sweaters を思い出してしまうので、カジュアルでド派手なイメージがどうしても頭の隅から消えません。

アグリークリスマスパーティーセーター メンズ ジーザスパーティー救世主長袖スウェットシャツ

インパクトが強すぎて、着回しめちゃくちゃ難しそう。

ジャケット vs セーター違いのポイント!
  • ニット素材がセーター、ニット以外のウール、コットン、デニムなどの素材はジャケット

スーツジャケット、ブレザー、スポーツジャケットの違い Suit Jacket vs Blazer vs Sport Jacket

man wearing gray notched lapel suit jacket standing
Photo by Hristo Fidanov on Pexels

続いてメンズの上着に行きましょう。

スーツジャケット

まず、スーツジャケットとはその名の通りジャケットとスラックスの一揃いとなったスーツの上に着るジャケットのこと。上下セットなので、同じ布生地で作られています。テーラードカラーの襟が特徴です。

スポーツジャケット

スポーツジャケットはアメリカ英語であり、イギリス英語ではスポーツコートとも言われます。スーツジャケットと違い、セットとなる共布ともぬののズボンはありません。スーツジャケットがウールなどの生地が主なのに比べ、スーツジャケットはコーデュロイやツイードなど厚手な素材が使われ、よりカジュアルな装いになります。

19世紀のイギリスなどのヨーロッパでテニスなどのスポーツ時にカジュアルな防寒着として人気となり、ハンティングや釣りなどのアウトドアでよく斬られます。

今ではスポーツジャケットにチノパンなど、カジュアルビジネスな職場でのドレスコードにぴったりですね。

ブレザー

ブレザーはジャケットの一種で金属ボタンやポケットについたエンブレムなどが特徴的です

yellow Prefect pin

ブレザーカラーというと紺色や黒などの無地ダークカラーを思い浮かべますが、もともとはスポーツクラブなどの選手団体の制服として用いられたため、当時は遠目からでも目立つような派手目カラーが特徴的だったそうで、ストライプ柄などもありました。

現代はブレザーとスポーツジャケットはほぼ同義語のようになっていますが、ブレザーはシングルボタンも、ダブルボタンもさすのに対して、スポーツジャケットはシングルボタンのみのジャケットに呼ばれます

航空会社やスポーツ団体、海軍や学校など、ブレザーには団体の統一感をアピールするビジュアル要素が高いです。

日本ではブレザーというと、学生のエンブレム付きの紺色のブレザー制服のイメージが強いですね。1950年代から1960年代に流行ったアメリカのアイビーファッションなども学生から由来しているものです。

アイビー・リーグの8学校のキャンパスを密着取材した写真集「Take Ivy」(テイク·アイビー)はアイビールックファンにおすすめの幻の名著です。初版の1965年から40年以上の時を経て、2010年には英語版、翌年2011年には日本語版の復刻版が出版されています。


TAKE IVY 復刻版 大型本 – 林田 昭慶 (著), くろす としゆき (著), 長谷川 元 (著), 石津 祥介 (著)

本誌の写真撮影は、男性ファッション雑誌「Men’s Club」のカバーを撮影していた林田昭慶さんがされています。

スーツジャケット、ブレザー、スポーツジャケットの違いのポイント!
  • スーツジャケットは共布の一揃いの上着で、スポーツジャケットズボンとセットではない
  • ブレザーは現在ではスポーツジャケットとほぼ同じだが、金属ボタンやエンブレムなどが特徴的で統一性を意識した学校や団体の制服を指す場合が多い。
  • ブレザーはシングル、ダブルボタン両方スポーツジャケットはシングルボタン

和製ファッション用語いろいろ

five jackets on clothes rack
Photo by Stas Knop on Pexels

知らず知らずに使っているファッション用語、英語っぽいけど実は和製造語も多く、外国では通じない場合もあります。

例えばスウィングトップ (スイングトップ)というゴルフ用のジャケット、こちらは完全な和製英語です。

スウィングトップという用語は、「VAN」ブランドのヴァンヂャケットの創業者である、石津 謙介(いしづ けんすけ)氏が、ゴルフのスウィングから名付けた創作です。

彼は先に紹介した「Take Ivy」の著書の一人である石津洋介氏の父であり、20世紀に活躍したファッションデザイナーで「メンズファッションの神様」的存在として知られています。

英語では、スウィングトップ型の軽量ジャケットのことをハリントンジャケットと言います。

もともとは、1930年代にイギリスのアパレル社バラクータのG9ジャケットが由来とされていますが、1960年代のアメリカのドラマ「ペイトンプレイス物語」でロドニー·ハリントン役を演じたライアン·オニールが劇中でG9ジャケットを着ていたことからハリントンジャケットの名で親しまれるようになりました。

G9のGはGolf(ゴルフ)9は9ホールを意味するそうで、やはりゴルフ用のジャケットという要素が強かったのだと伺えます。

G9ジャケットはフランクシナトラや、スティーブマックイーン、ジェームスディーンらが愛用していたことで知られており、タータンチェック柄の裏地がとてもアイコニックです。

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石津 謙介氏は他にも、スウェットシャツのことを「トレーナー」と命名したり、ステンカラーコートの「ステンカラー」という和製英語を普及させており、現在もしっかり定着しているそのフレーズの数々にさすがは「メンズファッションの神様」と言われるのも納得がいきます。

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